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【DevSumi2020】世界最高の靴売場をシューカウンセラーとともにデジタル変革してみた

世界最高の靴売場をシューカウンセラーとともにデジタル変革してみた

世界最高と言われる伊勢丹新宿店の靴売場では、パンプスやヒールで悩む女性向けにフィッティングサービスYourFIT 365を提供しています。デジタルな「足の3D計測によるマッチング」とアナログな「シューカウンセラーによるフィッティング」を組み合わせ、毎月1000人以上のお客様が利用しています。このサービス開発では売場経験者をPOに、売場メンバー参加でカスタマージャーを作成、業務視点でUIUX設計など様々な取り組みをしました。本講演では、それらを紹介しながら、デジタル変革で現場をブーストさせるために大事なことをお話しします。

event.shoeisha.jp

コンテンツ内容

  • 婦人靴向けのパーソナルフィッティングサービス
  • 3Dスキャンするとパンプスをレコメンド
  • 実績
    • 7ブランドからスタートし、現在25ブランド250足対応
  • phase 0:2年間にわたる模索
    • 文化:足に合う靴を提供したい
    • 新人とベテランのスキル差を埋めるための3D計測できないか考えた
    • ベンダの要件は計測制度の高さと、情熱の高さを決めて
    • アジャイルの採用を役員が即断(従来の開発手法だと失敗する、特に採用の理由には触れない)
      • POは現場メンバーでなければならない
      • やり取りは現場メンバーと開発メンバーが直接すること.
    • yourFIT専任、PO支援のためのメンバーを追加
  • phase 1:駆け抜けた立ち上げ
    • リリース日は確定していた。(期間5か月)
    • まず関係者全体で話し合った。(POはシステム開発のわからない状態からスタート)
      • ベテランと新人の話す機会があって良かった
      • ビジョンと優先度の共有
      • リーンキャンバス・カスタマージャーニーを作成
    • データを入手する
      • レコメンドには木型が必要するが、普通は門外不出(デザインを盗まれる)である。
      • 過去のバイヤーとシューズブランドの信頼関係でクリア
    • 自分たちのサービスに
      • お買場のメンバがサービス名・ロゴデザインなど剪定
      • 頻繁にdemoしにいく
    • サービスブループリントを利用
      • 業務のシーケンス図を定義する(アクター・データ・業務)
      • 足を計測してからの時差(スタッフが顧客への引き延ばし時間)を確認
    • 3か月で初期リリース
      • 最初の1~2か月はアジャイルのトレーニングなので、実質開発期間は3か月程度
      • 機関APIチームと連携(会員情報・商品情報・在庫…
    • リリース日
      • 毎日数十件+接客(1接客に1-2hほど)
      • 最小機能でリリースしたため、日々のFBへの対応をしていた。
  • Phase 2:次に向けて
    • 11月から安定期にして、予約件数を絞った
    • 何をすれば満足度を下げずに効率化できるか
    • どうすれば価値が上がるかの時間を設ける
      • スタッフの接客時間が長い、前の顧客を待たせるなど課題はある
    • ユーザビリティ調査顧客がどう利用しているか、何があれば便利か。
      • 接客しながらアプリを使ってもらう。機能の理解性などをみた
      • 再来店を促す
        • 以前買った顧客は、夏と冬用の靴でも同じ木型は安心して買える
        • 同じ木型であることを訴求するとCVRはあがる
      • データを活用する
        • 足形から靴を作る
          • 昔よりも人の足は細くなりつつリサーチがあると思いきや、実際に計測してみると足先が幅広な顧客が増えてきた
        • 新たな顧客を見つける
          • パンプスを美しく履きたい+歩き方講座・トレンド講座など抱き合わせの提案など、百貨店ならではの藏合提案力
  • 半年間で学んだこと(ともにつくるとは)
    • 当事者意識を持って行動する。逆に当事者意識のない人はいらなかったな
      • デジタル変革を求めるプロジェクト・リアリティが求められるケースのため
      • 顧客と、共に学んで改善する。サービスを育てる。システムの成長につながる
      • そもそも誰も知らない商品を仕入れて提案する文化だったり、スタイリスト個人技中心だったので、顧客に聴いたりや汎用化せざるおえないデジタルツールになれるのは難しかった
    • アナログと共に作る ― アナログの力をデジタルでブーストする
    • DX導入パターン
      • 既存組織とともにつくる
        • 適度な自治権を現場にあたえる。(出島型
        • 新しいことをするので開発プロセスは分離するし、セキュリティや運用ルールは遵守する必要がある
        • 距離感
          • 島型:既存に影響されてしまい、スピードがでない
          • 島型:既存のシステムから...
  • そして広げる
    • DX推進向けの機能子会社を作成
      • 目的は既存の枠組みではやりにくいことをやるための枠組み
      • メンバーを流動的にすることで違うことに取り組んでもらう
    • 社外から取締役を照合
    • 道をつくる。組織の力にしていく必要がある
      • DXへの理解や、ITのアジリティが不足している。
      • 苦労した要素を整備する
    • 共に作るIT部門にしたい
      • 今回のお買場が試行錯誤して【学ぶ場】を提供する
    • お買場のワークショップの開催
      • 関係者全体で顧客サービスを考える。
      • イデアが固まればトライアルをして、サービス提供につなげていく
      • PO/PO支援教育
    • プラットフォーム再設計
      • サービスを作る場合の土台
        • 平日日中の無停止リリース
        • どこからでも本番作業
      • 機関データのリアルタイム連携
      • トライアルがしやすい顧客管理ツール

感想

アジャイルの成功要因について多岐にわたって、事例が挙げられていて参考になる。 自社の提案力(百貨店ならではの歩き方講座など)と、技術を掛け合わせて顧客体験を挙げていく話はよかった。