【DevSumi2020】常識を破壊するティール組織とエンジニアリング組織論(片岡 俊行[ゆめみ])
ティール組織の代表的な企業であるゆめみにおいて、実際にどのようなエンジニアリング組織設計が行なわれたのか。 全員CEO制度、給与自己決定、承認プロセスは無し、性悪説経営など、常識外れとも思える組織設計の背景にある本質的な原理原則を解説いたします。 既存の常識から解放される事によって見えてくる新しい視点と共に、具体的な実装事例を公開いたします。
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ティール組織とは
共通した特徴、MDAとは異なる 自律分散協調し、進化型の組織をティール組織。(家族・生命体を指す)
組織は以下の順に発達してきた。 ティール組織の特長は、前の土台の特長を踏まえつつ、メリットは活かしデメリットは補完される構造を持つ。
- 群れ
- 力・恐怖で支配、短期的な活動 ― 緊急で危機回避的な動き方ができる
- 力が弱まると裏切りも。長期で安定しない
- 軍隊…
- 階級・序列とルールで支配。秩序・計画性が生まれる。
- 群れに長期的な視点が加わった状態
- 上の言うことは絶対なので不合理、組織の入れ替えはないので外部環境の変化に弱い
- 機械
- 家族
- 合意形成や価値観を重視
- カルチャー・ヴァリューを打ち出す。でぃずにーなどcrewなどの呼び名も
- 権限移譲・両行な人間関係
- 意思決定の遅さ・弱者救済で自己犠牲、弱者救済で温情主義
- 生命体
- 自律分散協調
- 素早い意思決定を行う、全員で主体的に役割分担、
- 次々へと変化するため、変化への不安、自律組織的である。
ティール組織の具体例
- 10年で1万人の組織
- 1チーム12人の看護師が全プロセスに権限と責任
- コーチは45チームに一名と少数
- バックオフィスは40名と同様に少ない
- ホラクラシー
- 役職主導ではなく役割手動
- 役職は責任が明確だが、ロールを複数跨ぐ状況はおかしい
- プロジェクト管理・売り上げ利益予算管理・業務標準化・ルール決め、人事考課・目標設定・面談
- 役割分散できる
- カウンセリング・コーティング・キャリアコン札は専門性がいるので分割。
- 役割検討会議でロールを定義する(組織の自己設計できる仕組み)
- ボトムアップで組織変更・人事異動
- 小さく変わると外部環境に痛みなく買われる。が忙しい 役職と役割のマトリクス型組織、縦割りの圧力が強く横が弱くなりがち
- 役職主導ではなく役割手動
給与設計の例
経営 ⇒ 制度・ルール⇒ マネージャ ⇒ エンジニアというフレームで考える。
既存の組織だと、金銭報酬による動機付けが行われ、エンジニアの想像性・成果につながらない
ティール組織とは被評価者が、制度自体を変えることができる権限(=自律的に動く)がある。
例えばエンジニアがルールを作れるルールブックがある状態。エンジニアは自分を評価するルールを自己設計しているような構造。
それに伴い、経営者の役割もゲームシステムデザイナー的な
ルールが守られることを観察すること・外部の制約(法律など)に遵守しているかの確認に変わる。
所感
ティール組織の定義は初めて聞いたが、Cybozuさんとか不思議な組織だと思っていたらティール組織だったことに今更気づいた
ただ、ティール組織が自律分散的な活動と、力・恐怖の共存する状態が混在するという状態が成立するのに違和感を感じた状態はまだ呑み込めていない。